
データのビジュアル化によるストーリーテリング
データのビジュアル化とデータ ストーリーテリングの相違点と類似点の両方を明らかにします。そしてデータを解読し、組織にとって明確かつ簡潔で実用的な情報にするために、これらを連携する最適な方法を導き出します。
データのビジュアル化とは
データのビジュアル化 は、収集したデータを視覚的に表現した画像を利用して情報を伝えます。チャート、グラフ、図、スプレッド シート、マップ、数値など、生の数字と図表を提供することで、組織のより効果的な意思決定をサポートします。
データ ストーリーの作成で検討するデータのビジュアル化には、説明と探索という 2 種類が存在します。説明を目的とした視覚化は、参考資料とも呼ばれ、特定の要素やストーリー全体を対象者に提供します。一方、探索を目的とした視覚化は、収集したデータから明らかにするべき課題が明確でない場合に使用します。
データのビジュアル化でストーリーを伝えると、相関関係を結び付けてトレンドを認識し、独自の結論を導き出して、独自の意見を形成できるよう、対象者に、より完全にストーリーを提供できます。一方、視覚化で表現するデータ分析にコンテキスのトストーリーテリングを利用しない場合、対象者による意思決定を遅延させたり、誤った結論に到達したり、または膨大なデータで目的を見失ってしまう可能性があることに、必ず注意しましょう。
データ ストーリーテリングとは
データ ストーリーテリング とは、独自の仮説を裏付けるデータを収集し、分析することで、ストーリーを作成する概念です。誰かに物語を話して聞かせるのと同様に、一貫したストーリーを表現して、結論となるメッセージと実施するべきアクションを提供します。その違いは、言葉の代わりにデータを使用することだけです。
データ ストーリーテリングでは、散布図、地理マップ、タイムライン、折れ線グラフ、円グラフ、棒グラフ、ヒートマップ、ツリー チャートなど、さまざまな種類のデータから優れたストーリーを作成します。
ただし、データ ストーリーを作成する際は、まず次のことを決定する必要があります。
- 対象者に伝えたい結論は何か
- 対象者に推奨すべき行動は何か。
- その行動を促すために必要なストーリーは何か。
- その意思決定へ導くためにデータをどのように活用すべきか。
データ ストーリーテリングを利用するメリットを、次にいくつか示します。
- 対象者がストーリーの全体像を把握できるように価値を追加する。
- 組織の信頼性を高めて、対象者の信用を勝ち取る。
- 情報を読んだユーザーの記憶に残るように、魅力的なストーリーと視覚に訴えかける要素を組み合わせる。
- 関連データを利用してエンゲージメントを促進する。
- 財産的価値のあるデータを提供して、新しい独自のストーリーを作成する。
- 異なる形式のデジタル メディアに組み込むことができる柔軟性。
- ブランドの認知度を高めて、業界のリーダーに組織を位置付ける。
データのビジュアル化とデータ ストーリーテリングが重要である理由
説得力のあるストーリーを構築するためには、仮説、推論、それを裏付けるデータが必要です。データは強力ですが、多すぎると時に手に負えなくなります。データのビジュアル化の専門家でさえ、目的を絞ったストーリーによる適切なコンテキストがないと、視覚化の取り組みから意味を導き出すことに苦労する場合があります。
データ ストーリーテリングを行う最善のアプローチは、適切なデータを、適切な視覚的形式で提供することです。インフォグラフィックに勝るほど、ストーリーに画像を多用しすぎると、エンゲージメントに必要なコンテキストを失います。ストーリーテリングを行う際は、まずストーリーを作成し、データを示すタイミング、複雑な数値を強調するタイミング、文字による説明を加えるタイミングを把握する必要があります。
データのビジュアル化は、ストーリーの情報を豊かにする機能を果たしますが、全体像を伝えるには不十分です。
データのビジュアル化とデータ ストーリーテリングを連携させる方法
データ ストーリーテリングとデータのビジュアル化は一見似ていますが、実は大きく異なります。魅力的なストーリーを語れても、仮説を強固にするためには根拠が求められます。生データだけでは、対象者に印象付けるメッセージや行動を提供できません。独自の目的に注目を集めるためには、理解しやすい形式で説得力をもってデータを表現し、対象者を惹きつける必要があります。データに基づくストーリーテリングによって、既存の情報は効果的なコミュニケーション ツールに変わります。
優れたデータ ストーリーを作成する際は、データのビジュアル化を取り入れることで、個々の要素をまとめて、ユーザーが理解しやすいストーリーを構築できます。データのビジュアル化は、コンテキスト、詳細への注目、重要なインサイト、行動を促すメッセージによってデータを提供し、独自の主張を裏付けます。ストーリーのレベルでは、数値やグラフよりも効果的に、提供したメトリックの説明と理解を促進します。
データのビジュアル化とデータ ストーリーテリングの違い
これをデータのビジュアル化とデータ ストーリーテリングの比較と 捉えるべきではありません。その代わりに、それらを連携して利用する方法を考えます。どちらも、概念、仮説、理論に説得力を持たせるための戦略ですが、 両者には大きな違いがあります。
データ ストーリーテリングは、ストーリーの語り手が、メッセージのより重要で包括的な視点を、対象者が理解しやすい方法で提供する必要がある点で、データのビジュアル化とは異なります。
一方でデータのビジュアル化は、そのストーリーテリングを強化するための戦術です。この標準的なビジネス コミュニケーション ツールは、複雑で価値のあるデータを大量に取り込み、それを人間がより簡単に理解できるコンテンツに変換します。対象者の注目を集めるために使用できる、意図を持ったビジュアルを次に示します。
- 適切
- 読みやすい
- 誤解を与えない
データのビジュアル化とストーリーテリングを連携させることで、データをもとに、明瞭さ、真実、妥当性を備えた、可能な限り最高のストーリーを作成し、伝えることができます。
データのビジュアライゼーションとストーリーテリングの類似点
データ ストーリーテリングとデータのビジュアル化は、魅力的で事実に基づくコンテキストに沿ったストーリーの構築という、同じ目標を目指し、連携して機能します。これらに互換性はありませんが、同じコインの裏表です。視覚化は独自のストーリーに不可欠な証拠を提供し、一方でストーリーテリングは、すべての情報に論理性と一貫性を持たせ、表現します。
データ ストーリーテリングの枠組みを作成する
データ ストーリーを作成する際は、導入、発展、結論を必ず含めます。ストーリーで伝えるべき内容と、そこに導く方法は把握しているでしょう。データ分析のコンテキストと結果を理解することが、そのストーリーを伝えるために求められる情報です。
これを達成するために、枠組みの作成に必要なベスト プラクティスをいくつか活用します。データのビジュアル化とストーリーテリングを効果的にするための実用的な方法を、次に示します。
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目的を定義する。
データストーリーの目的、対象者、優先順位を把握します。
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説得力のあるストーリーを表現する。
対象者が求めている内容を把握します。
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分析ストーリーテリングの要点を取り入れる。
この要点を次に示します。
- 構想: 提示された疑問の種類、それらに回答する方法、その結論に対象者を導く論法。
- コンテキスト: 対象者に提示するデータをどのように解釈させるか。
- 表現方法: ストーリーを伝える際の表現やインサイト。
- 締め括り: 独自のストーリーで導き出す結論と、その後の行動。対象者に伝えた内容、対象者が求める結果を達成する方法、今後の改善のために対象者が変更するべき方法。
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客観性を保つ。
データを透過的かつ客観的に提示して、あいまいさを取り除き、デザインと視覚化によってデータやストーリーの整合性が犠牲になることを防ぎます。
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適切な種類の視覚化を選択する。
情報を適切に表現するために適切な画像を活用します。
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グラフィック デザインのベスト プラクティスに従う。
対象者にプレゼンテーションの内容を完全に理解させるためには、視覚的な要素の読み取りや解釈にともなう困難を最小化する必要があります。
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適切なデータのビジュアル化ツールを利用する。
視覚化によってデータを効果的に伝える際は、適切なツールの利用が不可欠です。たとえば Microsoft Visio を導入すると、解釈しやすい明確な画像をデータから導き出せます。
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インサイトに満ちた人間味のあるストーリーを作成する。
関連性が高く、魅力的かつ端的で、価値のあるコンテンツを含むストーリーを提供すれば、視聴者の注目を維持することができます。
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ストーリーテリングとビジュアル化を両方とも補完するストーリーを作成する。
一貫性のあるストーリーラインを考える際は、根拠となる明確なグラフィックを追加すると、関心を惹きつけてエンゲージメントを高めます。
データのビジュアル化とストーリーテリングの例を次に示します。
データのビジュアル化とストーリーテリングのソリューション
既存のデータをもとに、完全で豊かなストーリーを伝えるためのソリューションは、数多く存在します。しかし、ソリューションを選定する際には、全体像を把握して、さらに深いインサイトを導き出せるように、組織全体の重要なビジネス データを処理するために十分な俊敏性を備えていることを確認するべきです。
Microsoft Power BI を導入すると、ストーリーとデータ エクスペリエンスの間に存在するギャップを埋めることができます。そしてデータのビジュアル化とストーリーテリングを実現する適切なビジネス ツールで、関連するコンテンツを見つけて重要なビジネス インテリジェンスを導き出し、データ レポートをチームと共有してコラボレーションを行います。
よく寄せられる質問
データのビジュアル化とデータ ストーリーテリングとは
データのビジュアル化は画像を利用して情報を伝えますが、データ ストーリーテリングではデータによってストーリーを作成します。
データのビジュアル化にとってストーリーテリングが非常に重要な理由
データ ストーリーテリングは生データをデータのビジュアル化に整理して、わかりやすい説明の作成をサポートし、ビジネス上の意思決定を促進させます。
データのビジュアル化でストーリーを伝える方法
収集したデータは、ストーリーの作成、根拠となる情報の提供、データを裏付ける仮説に利用できます。
データ ストーリーテリングで使用する視覚化の種類
データのビジュアル化は、散布図、地理マップ、タイムライン、折れ線グラフ、円グラフ、棒グラフ、ヒート マップ、ツリー チャートを含みます。
データのビジュアル化とデータ ストーリーテリングの違いについて
データ ストーリーテリングはストーリーを伝えるための戦術的な方法であり、データのビジュアル化はストーリーテリングの強化に使用する戦術です。